Language

Language

2020/07/20

REPORT

2020 開幕戦〜トラブルにより入賞には届かなかったものの、 次戦に向けての手応えを得る

2020 AUTOBACS SUPER GT Round 1 たかのこのホテル FUJI GT 300km RACE レポート

富士スピードウェイ スターティンググリッド

Audi Team Hitotsuyamaは、2020年7月19日、静岡県の富士スピードウェイで開催されたSUPER GT開幕戦「たかのこのホテル FUJI GT 300km RAC」に出場しました。

新しい体制で臨んだ2020シーズンの開幕戦は、マイナートラブルによりポジションを落とす展開になりましたが、マシン、ドライバーともに、ライバルと渡り合う実力があることが確認でき、次戦に向けて手応えを掴むレースになりました。

予選

2012年からAudi R8 LMSでGT300クラスに参戦するAudi Team Hitotsuyamaは、9年目となる今シーズンもAudi Japan / Audi Sportとパートナーシップを結び、Audi R8 LMSでSUPER GT300クラスに参戦します。タイヤは昨シーズンに引き続きヨコハマを採用します。

ドライバーは、Aドライバーとして、Audi Sportファクトリードライバーであるクリストファー・ミースを、BドライバーとしてSUPER GTとAudi R8 LMSでのレース経験を持つ川端伸太朗を起用する予定でした。ところが、ミースが新型コロナウィルスの影響により来日できない状況が続いたことから、SUPER GTやスーパー耐久で活躍している近藤翼をミースの代役としました。

予選前日の7月18日には、公式練習が行われました。富士スピードウェイは霧に見舞われ、開始時間が遅れたり、走行時間が短縮となるなど、あいにくの状況。そんななか、今回初めてマシンをドライブする近藤に優先的に走行時間を振り分け、その後、川端が決勝を見据えてセッティングを試すなど、有意義な時間を過ごすことができました。

翌日の19日、3カ月遅れの開幕戦が開催される富士スピードウェイでは、曇り空のもと、9時30分からGT300クラスの公式予選が行われました。29台がエントリーするGT300クラスはA、Bの2組にわかれてそれぞれ10分間のQ1を行い、各組の上位8台がQ2に進出することになります。Audi Team Hitotsuyamaは川端がQ1のB組に挑みました。川端はセッション終盤の計測4周目に1分37秒896をマーク。この時点でタイヤが温まりきっていなかったことから、さらにもう1度のタイムアタックを試みようしましたが、不運にも直前にチェッカーフラッグが振られて、ベストの状態での走行は叶いません。その結果、川端はB組10番手にとどまり、Q1を突破することができませんでした。決勝レースは19番手からのスタートになります。

P1 #65 LEON PYRAMID AMG 蒲生尚弥/菅波冬悟
P2 #11 GAINER TANAX GT-R 平中克幸/安田裕信
P3 #2 シンティアム・アップル・ロータス 加藤寛規/柳田真孝

P19 #21 P23 #21 Hitotsuyama Audi R8 LMS 川端伸太朗/近藤翼

Audi R8 LMSの走行

決勝

2020年のSUPER GT開幕戦は、新型コロナウィルス感染防止のために、無観客で開催され、またレース自体も19日の1日に予選と決勝を行うという変則的なスケジュールとなりました。

いつも以上に慌ただしいタイムスケージュールのもと、15時からは待ちに待った開幕戦の決勝レースが始まりました。19番グリッドの近藤は、スタートの混乱に乗じて1周目にポジションを3つ上げ16番手に浮上。その直後にセーフティカーが導入され、6周目にレースがリスタートしたあとも、近藤は冷静かつコンスタントに1分39秒台のラップを刻み、13番手まで順位を上げていきます。ところが、しばらくすると近藤がマシンのリアの異変を訴え出したことから、チームは大事をとり、20周を終えたところで近藤をピットに迎え入れました。

ここでドライバーを川端に交代し、タイヤ交換を行いましたが、その際に右後ろのホイールナットの不具合が発覚し、それが原因でマシンの挙動が不安定になっていたことが判明。さらに、その影響でホイールが外れず、タイヤ交換作業で約1分をロスしてしまいます。これにより、Audi Team Hitotsuyamaの21号車はほぼ最後尾までポジションを落とし、早い段階で勝負権を失う不運に見舞われたのです。

近藤からステアリングを委ねられた川端は、1分39秒台の安定したペースで周回を重ねていきます。「ドライバー交替後は、気持ちを切り替え、次戦に向けて、できるたけデータを集めることに専念しました」とは、チーム代表の一ツ山亮次。その後の川端はじわじわと順位を上げ、最終的には17位でゴール。開幕戦を完走で終えることになりました。

レース後、一ツ山は「ホイールナットのトラブルがなければ、苦手な富士でも十分入賞できるポジションにいることが、今回のレースで確認できました。次の富士では必ずポイントを取り、Audi R8 LMSが得意とする鈴鹿やもてぎのレースにつなげたいと思います」と語りました。

次の第2戦は2020年8月8日、9日、今回と同じ富士スピードウェイで開催されます。引き続き無観客でのレースになりますが、皆様のご支援、ご声援をお願いいたします。

P1 #52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT 吉田広樹/川合孝汰
P2 #11 GAINER TANAX GT-R 平中克幸/安田裕信
P3 #5 マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号 坂口夏月/平木湧也

P17 #21 P23 #21 Hitotsuyama Audi R8 LMS 川端伸太朗/近藤翼

Audi R8 LMSの走行

チーム代表 一ツ山亮次のコメント

昨年のシーズンオフからチーム体制を大きく変更し、いざ再始動というところで、新型コロナウィルスの影響でレースができない状況が続きました。ようやく2020シーズンがスタートできたのをうれしく思うとともに、自分たちが十分に戦えるポジションにいることが確認できたのが今回の収穫です。
今シーズンは、どちらかといえば苦手な富士のレースが4戦もあり正直つらいのですが、一方、比較的得意とする鈴鹿ともてぎも合わせて4戦ありますので、確実にポイントを取れるレース運びで、シリーズチャンピオンを目指したいと思います。幸い、今年加入した川端と、ミースの代役を務める近藤のふたりはとても前向きで、チームの雰囲気もいつも以上に良いので、今年こそ絶対に良い結果を残せると信じています。
今日のレースではホイールナットにトラブルが発生しましたが、次戦までに解決できる問題だと思います。次の富士は、皆さんの期待に応える走りを見せられるよう頑張りますので、応援よろしくお願いいたします。

ドライバー 川端伸太朗のコメント

移籍後初レースという事もあり、公式テストでも調子が良くとても楽しみにしていましたが、やはりSGTは難しく、思い通りのレースとはなりませんでした。予選では時間配分のミスによりアタックできず19位。
決勝は相方の近藤選手が素晴らしいオーバーテイクで順位を上げるも、ピットストップでタイヤが外れないトラブルにより戦線離脱。自分が担当した後半スティントでもラップタイムは良く、マシン自体のポテンシャルが高いことがわかり、次戦に向けての課題も見つかりました。
結果としては残念でしたが、次に繋がるレースになりましたので、次戦以降チーム力でしっかり上位を狙って行きます。引き続き応援よろしくお願いいたします。

ドライバー 近藤翼のコメント

今回、Audi Sportのファクトリードライバー、クリストファー・ミース選手の代役としてAudi Team HitotsuyamaさんからSUPER GTの開幕戦に出場しました。久々にAudi R8 LMSをドライブしましたが、運動性能も高く、競り合いにも負けないポテンシャルを感じました。
決勝では、スタートドライバーを担当しました。後方からの追い上げのレースとなり、ひとつでも順位上げて川端選手に交代するためにスタートからプッシュしました。接戦を上手く抜けて少しずつ順位を上げて行けました。
途中から車両のふらつきが大きくなりペースを上げられず早めのピットイン。おそらくホイールナットのトラブルとのことでした。その後は川端選手が素晴らしいペースで最後まで走りきり、17位完走で初戦を終えました。
トラブルはありましたが、改めてAudi R8はレースに強い車だと感じました。 次戦また参加する機会があれば、僕自身もさらに強くなってチームに貢献できるように頑張りたいと思います。応援ありがとうございました。