2020/08/12
REPORT
Audi Team Hitotsuyamaは、2020年8月8日~9日、静岡県の富士スピードウェイで開催されたSUPER GT第2戦「たかのこのホテル FUJI GT 300km RACE」に出場しました。
序盤こそペースを上げることができなかった21号車のHitotsuyama Audi R8 LMSでしたが、速さが戻るやふたりのドライバーが劇的な追い上げを見せ8位でゴールし、今シーズン初入賞を果たしました。
新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、Audi Sportファクトリードライバーであるクリストファー・ミースの来日が今回も叶わなかったことから、開幕戦に続いて、川端伸太朗と近藤翼という布陣で第2戦富士に臨みました。
決勝前日の8月8日には、公式練習と公式予選が行われました。午前中の公式練習では、ステアリングホイールに電気系のトラブルが発生し、一時マシンを止める場面もありましたが、さいわい大事にはいたりませんでした。
そして同日の午後にはノックアウト方式の公式予選が行われました。GT300クラスは、開幕戦同様、この第2戦でも30台がA、Bの2組にわかれてそれぞれ10分間のQ1を行い、各組の上位8台がQ2に進出。Audi Team Hitotsuyamaは、川端がQ1のA組に挑みました。Audi R8 LMSにとって、一発の速さを見せるのが難しい富士スピードウェイですが、川端は計測4周目、ほぼパーフェクトな走りで1分37秒851をマーク。8番手でQ2進出を果たしました。
続くQ2は近藤が担当。近藤のタイムは1分38秒065で15番グリッドを獲得。Q1に比べてややタイムが出にくいタイヤで臨んだことを考えれば十分納得のいくもので、決勝でのさらなるポジションアップを予感させる結果となりました。
P1 #6 ADVICS muta MC86 阪口良平/小高一斗
P2 #55 ARTA NSX GT3 高木真一/大湯都史樹
P3 #2 シンティアム・アップル・ロータス 加藤寛規/柳田真孝
P15 #21 P23 #21 Hitotsuyama Audi R8 LMS 川端伸太朗/近藤翼
決勝当日の富士スピードウェイは、曇り空といえ、気温29℃、路面温度42℃と、マシンにもタイヤにも厳しい状況に見舞われました。そんななか、13時には1周のフォーメーションラップののち、300kmに及ぶ戦いの火蓋が切られました。
Audi Team Hitotsuyamaは、近藤がスタートを担当。オープニングラップの1コーナーこそ15番手を維持しましたが、前日のQ1で使ったタイヤの内圧が上がらず、ペースを上げることができません。「タイヤの内圧が低い状態でペースを上げてしまうと、開幕戦で他車が見舞われたようなタイヤバーストの恐れがありました。近藤は的確な判断でペースを抑えたのです」とは、チーム代表の一ツ山亮次。このため、近藤は一時20位まで順位を落とすことになります。
しかし、その症状が改善されてからは、近藤が本来の速さを発揮し、先行するライバルを次々にオーバーテイク。14周目にはスタート位置の15番手まで挽回し、その後も2台をかわすなど、反撃の手を緩めませんでした。
25周目を終えたところで、タイヤの状態を考慮したチームは早めのピットインを実施。新品タイヤを手に入れ、22番手でコースに戻った川端は、1分38秒台から39秒台と、上位陣とほぼ変わらぬラップタイムで周回を重ね、オーバーテイクを繰り返していきます。ほぼ全車が1回目のピットストップを終えた35周の時点で、川端は12位までポジションを上げていましたが、その後もミスのない走りで、39周目には入賞圏内の10位に。そして最終的にはさらに2つポジションを上げて8位でフィニッシュ、今シーズン初ポイントを獲得しました。
レース後、一ツ山は、「スタート直後、タイヤの内圧が上がらない状態で、もしもペースを抑えるという判断がなければ、タイヤがもたなかったかもしれません。近藤の判断は適切でしたし、その後の走りも素晴らしいものでした。一方の川端もトップ3とほぼ変わらないハイペースで走り、今後のレースに期待が持てるパフォーマンスを見せてくれました。次の鈴鹿は、富士に比べるとAudi R8 LMS向きのコースですので、予選では10位以内、決勝では表彰台を狙っていきたいと思います」と語りました。
第3戦の鈴鹿は、8月22日、23日に開催されます。さらに上を目指して頑張りますので、皆様のさらなるご支援、ご声援をお願いいたします。
P1 #55 ARTA NSX GT3 高木真一/大湯都史樹
P2 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT 井口卓人/山内英輝
P3 #2 シンティアム・アップル・ロータス 加藤寛規/柳田真孝
P8 #21 P23 #21 Hitotsuyama Audi R8 LMS 川端伸太朗/近藤 翼
富士のレースでは約1.5kmのストレートスピードが勝負のカギを握ることから、チームは1km/hでもスピードを伸ばすべく、考えられるあらゆる対策を施して、このレースに臨みました。決勝のペースは自信がありましたが、予選一発のタイムを出しにくい富士だけに、Q2進出は難しいかもしれないと思いました。にもかかわらず、川端は完璧なタイムアタックで、ギリギリ8位でQ1を突破してくれました。
決勝でも、序盤にペースが上がらない場面がありましたが、その後は近藤と川端が次々とオーバーテイクし、8位入賞を果たすことができました。皆さんの応援、本当にありがとうございました。
2019年最終戦のもてぎ、今シーズン開幕戦の富士と、「次こそは」というレースが続いていましたので、ここ苦手な富士でポイントが獲得できたのは、チームにとって今後の自信につながるはずです。次の鈴鹿は、うまくいけば表彰台も夢ではありませんので、チーム一丸となり、今回以上に精度を上げてレースに臨みますので、引き続き応援よろしくお願いします。
予選はコンマ数秒に数台が並んでいる1つのミスも許されない状況でしたが、ミスなく攻めきれました。もちろんこれで満足しているわけではありませんが、とりあえず富士でQ1を突破することが出来て良かったです。決勝でもマシンの状態はよく、安定したタイムで走ることができました。後半はタイヤが厳しくなり、少しひやっとする場面もあったのですが、なんとか持ちこたえて走りきることができました。今シーズンは公式テストからマシンの調子もいい状態が続いているので、次の鈴鹿ではさらに上を目指していきたいと思います。
予選は初めてのQ2で、初めてのニュータイヤでのアタックでした。最初は様子をみながらでしたが、フィーリングも悪くなくて、ただいざというタイミングでコースアウトしたマシンがいてチャンスを失いましたが、まずまずの結果だったと思います。決勝では、スタート直後は思いのほかタイヤがグリップしなくて、無理をせずタイヤに熱が入るのを待ってから追い上げました。その後はいいペースで走れたと思います。トップチームとはまだ少し差がありますが、ここで入賞できたのは良かったと思います。鈴鹿でも入賞を目指して頑張ります。