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2020/10/27

REPORT

第6戦〜完璧なレース運びで4年ぶりに優勝

2020 AUTOBACS SUPER GT Round 6 FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 300km RACE レポート

SGT2020第6戦 表彰式

Audi Team Hitotsuyamaは、2020年10月25日、三重県の鈴鹿サーキットで開催されたSUPER GT第6戦「FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 300km RACE」に出場しました。

今季最上位の6番グリッドからスタートした#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSは、完璧なレース運びに運も味方して、27周目には実質トップに浮上。そのまま49周を走り抜き、4年ぶりの優勝を果たしました。

予選

今シーズンを振り返ると、決勝では上位勢と互角の速さを見せるHitotsuyama Audi R8 LMSでしたが、予選ではなかなか前方のグリッドが獲得できない状況が続いていました。そこで、まずは予選で上位進出することを目標に、今シーズン2回目の鈴鹿に臨みました。ドライバーは、引き続き川端伸太朗と近藤翼のふたりが務めます。

好天に恵まれた予選日の10月24日の午前には、公式練習が行われました。まずは川端のドライブでさまざまなセッティングを試したことから、セッション中盤まで順位は下位に沈むことに。その後、適切なセッティングが見つかり、ニュータイヤでコースに向かった近藤が13番手のタイムをマークしています。さらにチームは、予選に向けていくつかセッティングの改善を予定しており、「Q1は余裕で突破できるという感触を得ていました」とは、チーム代表の一ツ山亮次です。

同日午後にはノックアウト方式の公式予選が行われ、Audi Team Hitotsuyamaは、GT300クラスのA組でQ1に挑みました。Q1を担当するのは、公式練習の最後にニュータイヤで走行した近藤。予選前のセッティング改善が功を奏し、近藤は想定を上回る1分57秒053を叩き出し、A組4番手でQ1を突破しました。

続くQ2では、川端が近藤のタイムを上回る1分56秒845をマーク。これにより、チームは今シーズン最上位の6番グリッドからスタートするチャンスを手に入れたのです。

P1 #96 K-tunes RC F GT3 新田守男/阪口晴南
P2 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT 井口卓人/山内英輝
P3 #6 ADVICS muta MC86 阪口良平/小高一斗

P6 #21 Hitotsuyama Audi R8 LMS 川端伸太朗/近藤 翼

SGT2020第6戦

決勝

決勝当日の25日も、鈴鹿サーキットは秋晴れに恵まれました。20℃と過ごしやすい気温のもと、午後1時に決勝レースが始まりました。決勝のスタート時には、前日の予選で使ったタイヤを装着しなければなりませんが、今回のタイヤは長めのスティントにも耐えられるコンディションだったため、「場合によってはレース中盤までピットストップを伸ばすという作戦も考えていました」(一ツ山)。

第1スティントを担当した近藤は危なげなくスタートを決め、序盤で上位2台が順位を落としたことで、9周目終了時点で4位に浮上。しかし、その後は前を走る#11 GAINER TANAX GT-Rとテールトゥノーズの3位争いが続き、オーバーテイクが難しいことから、早めのピットストップを決断します。この判断が勝利のカギになりました。

19周の終わりで川端に交代した直後、21周目に#52 埼玉トヨペットGB GR Supra GTがS字コーナーでコースアウト。これにともないセーフティカーが導入されます。この時点でピットストップを終えていたマシンのうち、最上位が#6 ADVICS muta MC86、2番手には#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSがつけており、Audi Team Hitotsuyamaに大きなチャンスが巡ってきました。

25周の終わりでセーフティカーランが解除されると、すぐにペースが上がらない#6 MC86を川端が捉え、次周27周目の1コーナー手前で#6 MC86をオーバーテイク。これで実質トップの座を手に入れます。そして、30周目、上位のマシンがひととおりピットストップを終え、#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSは名実ともにトップとなりました。

ここからの川端は、2分00秒から2分01秒の早いペースで2位以下との差を広げていき、41周目には2番手の#6 MC86に8秒317の差を築きました。終盤はガス欠の恐れがあったことから燃費走行に切り替え、2番手との差を見ながらペースをコントロール。川端はこのまま首位を守ったまま49周目まで走り切り、2016年11月、ツインリンクもてぎで行われた第3戦(代替戦)以来、4年ぶりのクラス優勝に輝きました。

P1 #21 Hitotsuyama Audi R8 LMS 川端伸太朗/近藤 翼
P2 #6 ADVICS muta MC86 阪口良平/小高一斗
P3 #4 グッドスマイル 初音ミク AMG 谷口信輝/片岡龍也

SGT2020第6戦

チーム代表 一ツ山亮次のコメント

最後までドキドキのレースでした。レース中盤から燃料が足りなくなるのではないかという話になり、残り10周くらいからは、6号車にオーバーテイクされなければいいということで、落とせるところまでペースを落とすよう指示しました。最終的には2位との差が4秒を切りましたが、なんとか無事にトップでチェッカードフラッグを受けることができました。

今シーズンは、良い位置にはいるものの、どこかうまく噛み合わないところがあって、表彰台には手が届きませんでした。それだけに、残り3戦のどこかで、表彰台を獲得したいと思っていたのです。とはいうものの、いまのGT300で優勝するのは本当に難しく、完璧なレース運びに、幸運が味方してくれたこの鈴鹿で、4年ぶりに優勝できたのは本当にうれしいです。チームスタッフ、ヨコハマタイヤ、Audi Sport、そしてチームを応援してくださるすべての皆さんに、本当に感謝しています。川端と近藤の初優勝を支えられたのもうれしいです。

今回の優勝をうけて、次のもてぎはウェイトハンディが27kgから44kgに増えます。それでも、今回のレースを見ているかぎり、上位を狙うことは十分可能ですし、次のもてぎはAudi R8 LMSが得意とするコースです。連続で表彰台を狙っていきますので、引き続き応援よろしくお願いします!

ドライバー 川端伸太朗のコメント

今回の予選はハードタイヤを選択したのですが、それにより6番手のタイムを出すことができました。Q2で選んだタイヤがスタートタイヤになるため、まずそれが大きな勝因でした。そしてチームのみなさんのおかげで、前回の鈴鹿よりも劇的にマシンが良い仕上げとなっていて、乗っていて楽しかったです。近藤選手もいい走りをしてくれて、チームとしての戦略もうまくいきました。僕のスティントとしては、#6号車をオーバーテイクしてマージンを稼いたあとは、とにかくタイヤをいたわりながら、実は最後の10周くらいは燃料が足りなくて、ガス欠するんじゃないかとヒヤヒヤしていました。本当に勝てて良かったです。次のもてぎは相性がいいサーキットですし、今シーズン、まだチャンスはあると思います。

ドライバー 近藤 翼のコメント

まだ優勝の実感はないですね。今週はチームがいいクルマに仕上げてくれて、練習走行も調子がよくて、予選ではさらによくて、やはりシングルの位置で決勝レースをスタートできるのはぜんぜん違うなと思います。#96号車をうまくパスして、さらに#11号車を追っている最中は徐々にタイヤも厳しくなってきていたので、あまり無理をしないようにと考えていました。今シーズン6戦に参戦して、チーム、川端選手ともレース毎にいいコミュニケーションがとれるようになってきたところで、こうしてチャンスが巡ってくるんだなと実感しています。結果を出せたことはすごく嬉しいです。僕自身も気持ちよく走れましたし、良い週末でした。もてぎは前回のレースでも5位に入賞していますし、結果につながるように頑張ります。

SGT 2020第6戦 記念撮影