2021/07/27
REPORT
Audi Team Hitotsuyamaは、2021年7月24日〜25日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催された「TCR Japan Series 2021 Round 3 SUGO」にAudi RS 3 LMSでスポット参戦しました。
2020シーズンチャンピオンの篠原拓朗は、60kgの性能調整ウェイトに苦しめられましたが、2度の表彰台と1度のファステストラップ獲得することで意地を見せました。
今回のSUGOは、第2戦のAUTOPOLIS大会で中止になったSunday Seriesの決勝レースを補うため、土曜日の24日にSaturday SeriesとSunday Series 1、日曜日の25日にSunday Series 2を行う変則的なスケジュールになりました。
Audi Team Hitotsuyamaは、TCRジャパンシリーズ2020のSaturday Series/Sunday Seriesでチャンピオンを獲得した篠原拓朗をドライバーに起用し、第3戦のSUGOにスポット参戦しましたが、性能調整を細かく行うためのCompensation Weight(以下CW)が60kgに設定され、これが篠原に重くのしかかります。
まずは24日の午前8時5分から15分間の予選が行われ、このベストタイム順でSaturday Seriesのスターティンググリッドが、セカンドベストでSunday Series 1のスターティングリッドがそれぞれ決まります。篠原は前半にセカンドベストの1分28秒906、後半にベストの1分28秒230をマークしますが、CWが30kgと少ないVWゴルフGTI TCRの#18 松本武士選手にはベストタイム、セカンドベストタイムともにわずかに及ばす、Saturday Series、Sunday Series 1ともに2番グリッドからのスタートになりました。
P1 #18 VW Golf GTI TCR 松本武士
P2 #21 Audi RS 3 LMS 篠原拓朗
P3 #19 Cupra TCR HIROBON
P1 #18 VW Golf GTI TCR 松本武士
P2 #21 Audi RS 3 LMS 篠原拓朗
P3 #97 Honda Civic TCR 三浦 愛
夏の日差し照りつけるスポーツランドSUGOで、24日の午後0時15分から、23分プラス1周のフォーマットで、Saturday Seriesの決勝レースが行われました。
2番グリッドの篠原は気負いすぎたのか、スタートでエンジンをストールさせてしまい、最後尾の8位にポジションダウン。エンジンを再始動しているうちに前7台との差が開いていきます。
ここから反撃に転じる篠原でしたが、60kgのウェイトの影響は大きく、ジェントルマンドライバーをオーバーテイクするにも手こずる状況。6周目を終えたところでなんとか5番手まで浮上し、10周目には4番手を行くAudi RS 3 LMSの#65 加藤正将選手を1秒以内にまで追い詰めますが、オーバーテイクするのは難しい状況です。
レースは16周でゴールを迎え、篠原はこのまま5番手でフィニッシュ。その後、上位選手が再車検で失格となったため、篠原の4位が確定しました。
P1 #18 VW Golf GTI TCR 松本武士
P2 #19 Cupra TCR HIROBON
P3 #65 Audi RS 3 LMS 加藤正将
P4 #21 Audi RS 3 LMS 篠原拓朗
昼過ぎに比べ少ししのぎやすくなったスポーツランドSUGOでは、午後4時30分からこの日2回目の決勝レースが始まりました。
2番グリッドの篠原は、またしてもスタートを失敗して最後尾まで順位を落とすことに。それでも、すぐさま2周目に6位、3周目には5位までポジションを挽回し、#65 加藤選手、Honda Civic TCRの#97 三浦 愛選手との3位争いに突入しました。
6周目に#97 三浦選手をかわして4位に浮上した篠原は、同じAudi RS 3 LMSで戦う#65 加藤選手を追う展開に。コーナで追い詰める篠原でしたが、60kgのCWによりメインストレートでは差を広げられ、なかなかオーバーテイクできない状況が続きます。それでも11周目には、厳しい競り合いを制した篠原が#65 加藤選手の前に出て3番手に。しかし、残りの周回で2位で先行するCupra TCR の#19 HIROBON選手を捉えることはできず、3位表彰台でこの日2つめのレースを終えました。
P1 #18 VW Golf GTI TCR 松本武士
P2 #19 Cupra TCR HIROBON
P3 #21 Audi RS 3 LMS 篠原拓朗
25日の午前9時30分からは、Sunday Series 2のスターティンググリッドを決める予選が15分にわたり行われました。
前日とは異なるマシンセッティングで臨んだ篠原は、限界まで攻めた結果、計測1周目に1分29秒330をマーク。前日に比べて1秒100遅いものの、ライバルたちも軒並みタイムを落としていることを考えると、まずまずの結果といえます。しかし、#18 松本選手には惜しくもコンマ050秒及ばず、3レース連続で2番グリッドからのスタートが確定しました。
P1 #18 VW Golf GTI TCR 松本武士
P2 #21 Audi RS 3 LMS 篠原拓朗
P3 #97 Honda Civic TCR 三浦 愛
相変わらず厳しい暑さが続くなか、午後2時26分から、このレースウイーク最後の決勝が始まりました。
注目のスタートは、篠原は上手く決めたものの、ポールポジションの#18 松本選手を捉えるまでにはいたらず、一方、2速へのシフトアップのタイミングが早すぎたという篠原に対して、4番グリッドの#19 HIROBON選手が1コーナーで並び、一瞬先行する場面も。それでも篠原は2コーナー先で2位を奪い返し、優勝争いに絡むポジションにたどり着きました。
しかし、この日のレースでも、60kgのCWが篠原のドライビングを苦しめ、メインストレートでの加速は鈍り、コーナーでのブレーキングも厳しいという状況が続きます。そのためレース中盤あたりからは徐々にペースを落とし、トップを走る#18 松本選手との差は少しずつ開いていきました。
最終的にはトップから4秒536遅れの2位でレースを終えた篠原でしたが、2周目にマークした1分29秒781のベストラップがこのレースのファステストラップになり、2020年チャンピオンの面目を保つことができました。
P1 #18 VW Golf GTI TCR 松本武士
P2 #21 Audi RS 3 LMS 篠原拓朗
P3 #97 Honda Civic TCR 三浦 愛
ふだんSUPER GTで一緒に戦う篠原選手とは、久しぶりのTCRジャパンになりました。性能調整ウェイトが60kg課される厳しい条件だけに、3連勝という目標にはほど遠い結果になってしまいましたが、それでも全戦をきっちりと完走し、レースを盛り上げてくれたおかげで、楽しい週末を過ごすことができました。
第3レースを前に、篠原選手にはなんとかファステストラップを取ってくるよう伝えました。それに応えるように、精いっぱい頑張ってくれて、速さをしっかり見せてくれたのが一番の収穫です。
今後については、8月末の第4戦もてぎに、開幕戦にスポット参戦した藤井優紀と出場することを検討しています。引き続きAudi Team Hitotsuyamaへの応援をよろしくお願いいたします。