2025/06/02
REPORT
Hitotsuyama Racingは、2025年5月30日〜6月1日、静岡県の富士スピードウェイで開催されたENEOS スーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE 第3戦「富士24時間レース」のST-XクラスにAudi R8 LMS GT3で参戦しました。
3番グリッドからスタートした#101 Hitotsuyama Audi R8 LMSは、レース序盤にトップに立つなど速さを見せ、終盤にトラブルに見舞われながらも3位で完走。念願の初表彰台を獲得しました。
今シーズンからST-Xクラスに参戦している#101 Hitotsuyama Audi R8 LMSは、富士の24時間レースにドライバー5名体制で挑みました。すなわち、A:鈴木建自、B:小川颯太、C:ジェームス・プル、D:猪爪杏奈というレギュラーに、チーム監督の川端伸太朗がEドライバーとして加わります。
上空を雲で覆われた富士スピードウェイでは、5月30日12時に公式予選が始まりました。雨で濡れた部分が残るレーシングコースでは、予選直前にウェット宣言が出されましたが、12時30分からST-XクラスのAドライバー予選が始まるころにはレコードラインはほぼドライに変わり、Aドライバーの鈴木はスリックタイヤで慎重にタイムアタックを開始。周回ごとに自己ベストを更新し、7周目に叩き出した1分41秒656が6番手となります。
続くBドライバー予選は、期待の若手ドライバーである小川が6周目にマークした1分39秒394が4番手に。A/Bドライバーの合算タイムで決まる決勝のスターティンググリッドは3番手になりました。
C/Dドライバーによる予選が行われ、プルが1分41秒865、猪爪が1分42秒726で予選通過基準タイムをクリアしています。その後、E/Fドライバーのフリー走行が行われ、川端は1分41秒609をマークするとともに、いまひとつセットアップが決まっていなかったマシンを、納得のいく状態に仕上げていきました。
P1 #33 Craft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3
P2 #81 DAISHIN GT-R GT3
P3 #101 Hitotsuyama Audi R8 LMS
決勝日を迎えた5月31日は、午前中に雨はいったんあがったものの、午後には再び雨が降り出し、ときおり雷鳴が響くあいにくの天候に見舞われました。これにともない決勝開始時刻が1時間の遅れの16時になり、セーフティカー先導で23時間の耐久レースが始まります。
#101 Hitotsuyama Audi R8 LMSはプルがファーストスティントを担当。5周を終えてセーフティカーが退去し、ようやく戦いの火蓋が切られると、3番グリッドからスタートしたプルはすぐさま2番手にポジションを上げ、トップを走る#33 Craft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3に迫っていきます。決勝開始とともに雨が弱まり、周回が進むにつれてレコードラインが乾き始めている状況を把握していたプルとチームは、スタートから約1時間10分が経過した36周目にピットストップし、ライバルに先駆けてスリックタイヤでコースに復帰しました。この時点でプルは5番手にポジションを落としましたが、狙いどおりライバルよりも速いタイムで周回を重ねる#101 Hitotsuyama Audi R8 LMSは、ファステストラップを更新しながら徐々に順位を上げ、50周目には#33 Craft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3をかわしてついにトップに踊り出ました。その後もプルは快走を続け、背後から追い迫る#81 DAISHIN GT-R GT3に付け入る隙を与えず、85周を終えたところで小川にマシンを託しました。
5番手でコースに復帰した小川は、日が沈んだ富士で先行するライバルたちに迫り、104周目には2位までポジションを上げていました。その後、20時には花火が打ち上げられましたが、その煙の影響で視界が悪化したことからFCY(フルコースイエロー)のあとにセーフティカーが導入されあます。その後も、濃霧による視界不良やコース上でのアクシデントによりFCYやセーフティカーの導入が続き、さらに、日が変わった1時18分から2時、4時45分から7時30分にはレースが赤旗で中断するなど、荒れた展開になりました。この間、川端、ジェームス、鈴木が着実に周回を重ね、レース再開時の7時30分には3位から再スタートを切ることができました。
8時台には猪爪がステアリングを握り、ときおり1分43秒台の速いタイムを叩きだしながら31周を走破。交替した小川にはFCY中の追い越しにより60秒のピットストップが科される場面もありましたが、4位をキープしました。その後、#33 Craft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3がマシントラブルによりリタイヤし、また、#81 DAISHIN GT-R GT3にもトラブルが発生してポジションを落としたため、トップ争いは#23 TKRI松永建設AMG GT3、#666 seven x seven PORSCHE GT3R、そして、#101 Hitotsuyama Audi R8 LMSに絞られました。
プルに交替後、3位を快走中の#101 Hitotsuyama Audi R8 LMSでしたが、ゴールまで残り2時間40分の481周目、300R付近で突然右リヤタイヤが脱落するトラブルに見舞われます。これによりプルはダンロップコーナー出口で一瞬マシンを停めますが、3輪の状態でなんとかマシンをピットまで戻します。ピットで待ち構えていたメカニックが右リヤのハブなどを交換。これによるロスは8周でしたが、4位の#81 DAISHIN GT-R GT3には約20周のリードがあり、交替した鈴木を3位のままコースに戻しました。
ゴールまで残り1時間15分というところで、チームは最後のピットストップを行い、猪爪がコックピットに乗り込みます。猪爪はラスト44周を力走し、レース開始から23時間が経過した15時過ぎに3位でチェッカードフラッグを受けました。これにより、#101 Hitotsuyama Audi R8 LMSは、念願の初表彰台を獲得しました。
開幕戦のもてぎでは3位を走りながらもファイナルラップでガス欠に見舞われ、また、第2戦の鈴鹿でも途中3位にポジションを上げながらも2度のドライビングスルーペナルティで表彰台を逃しているだけに、ようやく手にした今回の結果に、チーム一同、歓びもひとしおです。この勢いのまま、シーズン後半には必ずや勝利を手にしたいと思いますので、#101 Hitotsuyama Audi R8 LMSの活躍にどうぞご期待ください。
P1 #23 TKRI松永建設AMG GT3
P2 #666 seven x seven PORSCHE GT3R
P3 #101 Hitotsuyama Audi R8 LMS