2019/09/09
REPORT
Audi Team Hitotsuyamaは、2019年9月7日〜8日、大分県のオートポリスで開催されたSUPER GT第6戦「AUTOPOLIS GT 300 km RACE」に出場しました。
オートポリスはAudi R8 LMSが比較的得意とするテクニカルコースだけに、上位入賞が期待されましたが、決勝は雨に翻弄され、残念ながらポイント獲得には至りませんでした。
公式予選に先がけて、7日の午前中には公式練習が行われました。#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSは、マシンの調子が良いにもかかわらず、昨年よりもタイムが遅いという状況に見舞われます。ただ、ライバルたちも軒並み同じような状況で、どうやら阿蘇山の噴火にともない火山灰がコースに舞い落ち、路面が滑りやすくなっているのが原因のようでした。これがタイヤのグリップに変化を与え、予選や決勝に影響を及ぼすことになりました。
午後2時30分、曇り空のもと、GT300クラスの公式予選がスタートしました。Audi Team HitotsuyamaはAドライバーのリチャード・ライアンがQ1を担当。ライアンは、Q1開始から少し遅れてコースに入り、3周目に1分46秒103をマーク。さらにもう1周、タイムアタックを続ける予定でしたが、路面の影響もあり思いのほかタイヤの消耗が激しく、1周でタイムアタックを終えることになります。それでもギリギリの16番手でQ1を突破し、Bドライバーの富田竜一郎にQ2を委ねることができました。
一方、富田も1周のタイムアタックで1分45秒554を叩き出し、11番手のポジションを獲得しました。「オートポリスは、マザーシャシーやJAF勢が速いサーキットなので、10位前後からスタートできれば悪くないと考えていましたので、想定通りのまずまずの結果です」と、チーム代表の一ツ山亮次が語りました。
P1 #25 HOPPY 86 MC 松井孝允/佐藤公哉
P2 #52 埼玉トヨペットGB マークX MC 脇阪薫一/吉田 広樹
P3 #7 D’station Vantage GT3 藤井誠暢/J.P.デ・オリベイラ
P11 #21 Hitotsuyama Audi R8 LMS リチャード・ライアン/富田竜一郎
決勝が行われる8日は、朝から夏の日差しが降り注いでいましたが、午後2時30分のスタート時間が近づくにつれて、オートポリス上空には雲が広がり始めていました。「午後3時くらいから雨が降り出すという予報だったので、そのタイミングにうまくピットストップを合わせられるのか、そこまでタイヤがもつのか、場合によっては2回のピットストップになるかもしれないなど、様々な流れをシミュレーションして決勝レースを迎えることになりました」とは一ツ山。
今回はライアンがスタートを担当。11番手のライアンはスタートを着実に決めてポジションをキープ。直後に1回目のセーフティカー(SC)が入り、SC解除後もしばらく順位を維持します。しかし、15周目を過ぎたあたりからペースが落ち始めます。「ライアンからは、タイヤがかなり厳しいという訴えがあったので、予定よりも早めにピットストップを実施することにしました」(一ツ山)。
そこで25周を終えたところで、ピットストップを行い、富田にドライバー交替。序盤、コースの一部を濡らした雨はこの時点では上がっていたため、引き続きスリックタイヤを履かせて富田をコースに送り出しました。その数周後、雨が急に強まりましたが、32周目、運良く2回目のSCが導入されたため、Audi Team Hitotsuyamaはスリックタイヤのまま、しばらく様子をみることにしました。
39周目にはSCが解除になり、レースが再開。#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSのラップタイムは、レインタイヤを履くライバルに比べて15〜20秒遅いことから、レインタイヤに履き替えようかというところで、再度SCが導入されます。この時点で、上位はほぼ全車がレインタイヤを装着しており、ここで#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSがピットストップを行ってレインタイヤに交換しても上位入賞は難しい状況。一方、スリックタイヤを装着するなかではトップに位置していたことから、コースコンディションが回復することに賭けてみることにしました。
その後、48周目にSCが解除され、しばらくはレインタイヤを履くマシンに有利な状況が続きました。しかし、終盤にはコースコンディションが回復に向かい、富田のペースがレインタイヤを履くマシンに近づいていきます。ところが、SC導入中に、富田がコース上でスピンした行為に対しドライブスルーペナルティーの裁定が下り、#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSの反撃はここで終了。最終的には13位でレースを終えることになりました。
P1 #60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 吉本大樹/宮田莉朋
P2 #720 McLaren 720S 荒 聖治/アレックス・パロウ
P3 #88 マネパ ランボルギーニ GT3 小暮卓史/元嶋佑弥
P13 #21 Hitotsuyama Audi R8 LMS リチャード・ライアン/富田竜一郎
今日のレースは見ている人にとっては面白いレースでしたし、私自身、ハラハラしながらも一瞬一瞬を楽しむことができました。
我々の戦略は、結果的に優勝したマシンとほぼ同じであったことから、概ね”アタリ”の戦略だったと考えています。ただ、コース上でもピットロードでもかなり慌ただしく、刻々と変化するコンディションでしたから、どのチームにも勝てるチャンスがあったと思います。
こういうときこそ、運を掴んで、応援してくださる皆さんに良いところを見せたかったのですが、ドライブスルーペナルティが科せられてしまい、残念ながらポイント獲得はできませんでした。それがなければ、終盤の追い上げで7位くらいまでは挽回できたと思うので、とても悔しいです。
一方、路面の問題はありましたが、マシンは終始セットアップの方向性も決まっており、その実力の高さを改めて確認することができました。残りあと2戦になりましたが、ミスやペナルティが起きないようにして、なんとか表彰台を獲りに行きたいと思いますので、最後まで応援よろしくお願いいたします。