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2019/09/24

REPORT

第7戦〜不運に見舞われながらも雨を味方につけて、今季最高位の7位でフィニッシュ

2019 AUTOBACS SUPER GT Round 7 - SUGO GT 300km RACE レポート

SUPER GT 第7戦

Audi Team Hitotsuyamaは、2019年9月21日〜22日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催されたSUPER GT第7戦「SUGO GT 300 km RACE」に出場しました。

雨に翻弄されてきた今シーズンのSUPER GT。ここSUGOも雨のレースになりましたが、リチャード・ライアンと富田竜一郎の果敢な走りが不運を撥ねのけ、今季最高位の7位でフィニッシュ。貴重なポイントを獲得する結果となりました。

予選

スポーツランドSUGOは、Audi R8 LMSが得意とするコースのひとつです。ところが、予選日の21日、午前中に行われた公式練習では、#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSに期待したほどの速さが見られず、1分19秒162のベストタイムはトップとコンマ984秒差、14番手というポジションに留まりました。念のためチームはマシンを大がかりに分解してチェックし、午後の予選に備えました。

午後2時からは、曇り空のもと、GT300クラスの公式予選がスタートしました。通常、SUPER GTの予選は、各クラスとも15分間のQ1と10分間のQ2が1回ずつ行われますが、ここスポーツランドSUGOでは、台数の多いGT300クラスがA/Bふたつのグループに分かれて10分間のQ1を行い、各グループの上位8台がQ2に進出するという形式が採用されました。

Q1をBグループで走行する#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSは、ライアンが担当。ライアンは計測3周目に1分19秒256、5周目には1分19秒108までタイムを縮めましたが、マシンと天候、タイヤがうまくマッチしていない状況は改善されず、ポジションはグループトップからコンマ927秒差の11番手。Q2進出は叶わず、22番グリッドからのスタートとなりました。

ただ、翌日の決勝日は雨が降るとの天気予報だったことから、「チーム一丸となって雨のレースを頑張ろう!」と気持ちを切り替えて、予選日を終えました。

P1 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT 井口卓人/山内英輝
P2 #55 ARTA NSX GT3 高木真一/福住仁嶺
P3 #25 HOPPY 86 MC 松井孝允/佐藤公哉‏

P22 #21 Hitotsuyama Audi R8 LMS リチャード・ライアン/富田竜一郎

富田竜一郎

決勝

決勝が行われる22日は、朝方には薄日が射していたものの、午後1時過ぎに各マシンがスターティンググリッドに着き出すころから、霧雨が降り始めました。スリックタイヤでコースインした#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSは、雨が少しずつ強くなってきたこともあって、グリッド上でタイヤをレインに変更し、午後2時の決勝スタートを迎えました。

コースがほぼウェットコンディションに変わったため、レースはセーフティカー(SC)先導によるスタートに変更。追い越し禁止の状態が3周続いたのち、セーフティカーランが解除され、競技が開始になりました。ここで、スタートを担当した富田が素晴らしい走りを見せてくれます。SC解除直後の4周目、実質的なオープニングラップにポジションを8つ上げて14番手につけると、その後もほぼ毎ラップごとに順位を上げて、7周目にはポイント圏内の10位にアップ。さらに、上位勢と変わらぬペースを保ち続ける富田は31周目には6番手までポジションを上げ、表彰台が狙える位置に。

「もう少し富田を走らせ続けたいという気持ちがありましたが、雨がかなり強くなってきたので、クラッシュなどでSCが入る前にピットストップを済ませておきたかった」とはチーム代表の一ツ山亮次。チームは富田に35周を終えたところでピットインするよう指示しました。ところがその周にGT500のマシンが2コーナー外側のグラベルでストップし、SCが導入される事態に。そのため、#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSがピットインする直前にピットレーンが閉鎖され、富田はSCが解除される41周の終わりまでピットストップを延ばさざるをえませんでした。「あと10~15秒くらい早ければ、絶妙のタイミングでピットに入れたんですけれど。これが、結果的には今回のレースの分かれ目になりました」とは一ツ山。

富田から交代したライアンは、8番手のポジションでコースに復帰し、上位陣と互角のペースで7番手にポジションをアップ、さらに上位を狙います。しかし、ライアンがピットを離れるときに、滑りやすい路面により加速が鈍ったAudi R8 LMSと後続とがピットレーンで交錯。これが「アンセーフリリース」と判断され、#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSにはドライブスルーペナルティが科されることになったのです。

これで11番手までポジションを落としたライアンでしたが、その後の追い上げで52周目には10位、そして、66周目には7位まで順位を戻しました。ライアンはそのままゴールを迎え、今季最高位の7位でレースを終えることになりました。

P1 #55 ARTA NSX GT3 高木真一/福住仁嶺
P2 #4 グッドスマイル 初音ミク AMG 谷口信輝/片岡龍也
P3 #96 K-tunes RC F GT3 新田守男/阪口晴南

P7 #21 Hitotsuyama Audi R8 LMS リチャード・ライアン/富田竜一郎

リチャード・ライアン

Audi Team Hitotsuyama 代表 一ツ山亮次のコメント

今回の菅生は、どん底からスタートして、上まで上がって、また下がって、また上がってと、とてもスリリングなレースでした。もしも、セーフティカーのタイミングなど、運が味方してくれていたら、表彰台も夢ではなかったのですが、あの展開で今シーズン最高位で終わることができて、まずはホッとしています。

ここまでずっと苦しいレースが続いていますが、今回はパーフェクトではないとはいえ、ポイントも獲得できましたので、チームのモチベーションも上がるでしょう。

残るはもてぎの1戦になりましたが、もてぎはここ菅生以上にAudi R8 LMSにとっては相性が良く、2016年には優勝もしているサーキットです。とにかくブレーキングで頑張れるマシンなので、今回、7位に入賞した勢いのまま、表彰台を狙います。最終戦こそはキッチリと決めて、良い結果でシーズンを終えられるように頑張ります。

Audi Team Hitotsuyama リチャード・ライアン選手のコメント

今週の菅生は気温が低くタイヤがマッチせず、予選で結果を残すことができませんでした。一方で決勝のウェットコンディションは、われわれにとって有利な状況でした。チームは適切なタイヤの選択、富田選手はすばらしいスタートで、いい走りをしました。ドライバー交代直前でSCが入ってしまったのは非常に不運でしたし、ペナルティも受けてしまい一時は11位にまで順位を落としてしまいましたが、再び7位まで追い上げることができ、久しぶりにレースを楽しむことができました。チームにとってもエキサイティングな日になったと思います。次のもてぎはAudi R8の得意なブレーキングコースです。表彰台を狙ってプッシュし続けていきます。

Audi Team Hitotsuyama 富田竜一郎選手のコメント

今日のレースを振り返っての一番重要なポイントは、レース直前にウェットタイヤでいこうと、リチャード選手とエンジニアと相談の上で決めたことでした。ウェット路面でのパフォーマンスが高いことはわかっていたので、スタート直後の周回で大きく順位をあげることができました。あとはクルマを信じて、コンディションを冷静に把握しながら、セカンドスティントのリチャード選手に1つでもいいポジションでつなごうと1台1台オーバーテイクしていった結果、いいスティントになりました。また、個人的にも今日のレースは非常に楽しむことができました。最終戦は万全の状態で、表彰台を目指してファンや応援してくださる皆様に、いいレースをお見せできるよう頑張りたいと思います。

#21 Hitotsuyama Audi R8 LMS

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