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2019/10/28

REPORT

WTCR 鈴鹿ラウンドに、ワイルドカードにより富田竜一郎・宮田莉朋 / Audi RS 3 LMSで参戦!

FIA WORLD TOURING CAR CUP - JVCKENWOOD RACE OF JAPAN 2019 レポート

Audi RS 3 LMS

Audi Team Hitotsuyamaは、2019年10月25日〜27日、三重県の鈴鹿サーキットで開催された「WTCR JVCKENWOOD RACE OF JAPAN 2019」に出場しました。

Audi Team Hitotsuyamaは、ワイルドカードエントリーにより、富田竜一郎と宮田莉朋の2名とともに、Audi RS 3 LMSで参戦。世界の強豪を相手に、ときにはトップ10に入る走りで、日本のファンを大いに沸かせました。

予選1

この鈴鹿ラウンドでは、10月26日に決勝1、27日に決勝2と決勝3が、鈴鹿サーキットの東コースで開催されます。予選1では決勝1のスターティンググリッドを、予選2では決勝2と決勝3のスターティンググリッドを決定します。

まずは10月25日の午後1時から、30分間の予選1が行われました。雨が降りしきる鈴鹿の東コースに、29台のマシンがほぼ一斉にコースインすると、S字コーナーや東コースのショートカットにはしばしば渋滞が発生し、さらにウェットコンディションということもありクラッシュやコースアウトするマシンが続出、4度の赤旗中断があるほどの混乱ぶりでした。

そんななか、#77 宮田莉朋は残り5分を切ったところで1分00秒204の7番手タイムをマーク。一方、#7 富田竜一郎も1分00秒628の16番手タイムと、スポット参戦でありながら、期待を上回る走りを見せてくれました。

P1 #18 KCMG ティアゴ・モンテイロ
P2 #86 ALL-INKL.COM Munnich Motorsport エステバン・グエリエリ
P3 #29 ALL-INKL.COM Munnich Motorsport ネストール・ジロラミ

P7 #77 Audi Team Hitotsuyama 宮田莉朋
P16 #7 Audi Team Hitotsuyama 富田竜一郎

予選2

予選2は、Q1〜Q3のノックアウト方式で行われます。まずは上位12位が次のステージに進むことができる20分間のQ1が、10月25日午後3時55分に始まりました。

雨が小降りになった東コースで、#7 富田は予選1の走りを見直して2度のタイムアタックを行い1分00秒815をマーク。しかし、Q1突破の12位には届かず、15番グリッドからのスタートが確定しました。

一方、#77 宮田は、徐々に改善するコースコンディションをうかがいながら、ころあいを見計らってセッション終盤にタイムアタックを行いました。そのまま計測されていていれば12〜13番手となるタイムでしたが、コントロールラインまであと数秒というところで他車のアクシデントにより赤旗中断、その周のラップタイムは無効に。結局、セッション前半に計測した1分00秒982が#77 宮田のベストタイムとなり、22番手で予選2を終えることになりました。

P1 #14 SLR Volkswagen ヨハン・クリストファーソン
P2 #18 KCMG ティアゴ・モンテイロ
P3 #96 PWR Racing ミケル・アズコナ

P15 #7 Audi Team Hitotsuyama 富田竜一郎
P22 #77 Audi Team Hitotsuyama 宮田莉朋

宮田莉朋と富田竜一郎

決勝1

10月26日、午後3時5分から、鈴鹿サーキットの東コースを24周で争われる決勝1が行われました。他車のペナルティなどにより、#77 宮田は5番グリッドから、#7 富田は14番グリッドからのスタートに変わり、チームや鈴鹿サーキットを訪れたファンの期待は高まります。

ドライコンディションのもと、スタンディングスタートで始まったレースは、混乱こそなかったものの、#77 宮田、#7 富田ともに、難しいとされるAudi RS 3 LMSのスタート手順に手こずり、#77 宮田が10番手、#7 富田が18番手に順位を落とすことになりました。

しかし、#77 宮田は後半に向けてタイヤをセーブしながらも、上位のマシンが順位を落としたこともあって、7周目には7位までポジションを挽回。セーフティカーランをはさんでポジションアップを狙います。ところが、13周目、ギアボックスのトラブルが発生しスローダウン。そのままピットに向かい、このレースをリタイヤしました。

一方、#7 富田は徐々にポジションを上げて、14周目には14位まで挽回しますが、15周目に他車に押し出されて22位に。それでも走行を続けた#7 富田は19位で完走を遂げました。

P1 #86 ALL-INKL.COM Munnich Motorsport エステバン・グエリエリ
P2 #10 Cometoyou Team Audi Sport ニールズ・ランゲヴェルト
P3 #18 KCMG ティアゴ・モンテイロ

P19 #7 Audi Team Hitotsuyama 富田竜一郎
リタイヤ #77 Audi Team Hitotsuyama 宮田莉朋

決勝2

10月27日には、午前10時ちょうどから、東コースを24周で争われる決勝2が始まりました。#7 富田はスターティンググリッドが1つ繰り上がり14番手からのスタートに。#77 宮田は予選結果のままの22番グリッドです。

曇り空のもと戦いの火蓋が切られたレースは、スタート直後にクラッシュなどもなく、比較的穏やかに動き出します。#7 富田、#77 宮田も無事に1コーナーへと向かいましたが、やはりAudi RS 3 LMSのスタンディングスタートに手こずり、#7 富田は18番手、#77 宮田は最後尾の29番手までポジションを落としてしまいました。

オーバーテイクが難しい東コースで下位に埋もれてしまった2台は、その後も我慢を強いられる展開になりました。それでも#7 富田は1つポジションを上げて17位、#77 宮田も25位まで順位を回復して、決勝2を終えました。

P1 #5 BRC Hyundai N Squadra Corse ノルベルト・ミケリス
P2 #12 SLR VW Motorsport ロブ・ハフ
P3 #1 BRC Hyundai N Squadra Corse ガブリエル・タルキーニ

P18 #7 Audi Team Hitotsuyama 富田竜一郎
P25 #77 Audi Team Hitotsuyama 宮田莉朋

決勝3

決勝2のフィニッシュから約1時間後の午前11時30分からは、東コースを28周で争われる決勝3が行われました。鈴鹿ラウンドでは最後のレースとなるだけに荒れた展開が心配されましたが、その予想は的中してしまいます。

予選結果どおり、#7 富田が15番グリッド、#77 宮田が22番グリッドからスタートしたレースは、オープニングラップのS字コーナーで#77 宮田が他車との接触で弾き出され、そのままリタイヤを喫することに。一方、#7 富田は中盤まで21位を守り続け、終盤も22位と踏ん張りましたが、残り3周というところで競り合っていた#52のAudiに押し出されてコースアウトし、リタイヤとなりました。

P1 #14 SLR Volkswagen ヨハン・クリストファーソン
P2 #86 ALL-INKL.COM Munnich Motorsport エステバン・グエリエリ
P3 #11 Cyan Racing Lynk & Co テッド・ビヨーク

リタイヤ #7 Audi Team Hitotsuyama 富田竜一郎
リタイヤ #77 Audi Team Hitotsuyama 宮田莉朋

#7 Audi RS 3 LMS
#77 Audi RS 3 LMS

チーム代表 一ツ山亮次のコメント

Audi Team Hitotsuyamaでは、今年からスタートしたTCRジャパンシリーズに参戦していますが、このWTCRも予てから挑戦してみたいと思っていたレースでした。そんなWTCRの鈴鹿ラウンドに “ワイルドカード”でスポット参戦できる可能性があったため、入念に準備を進めてきた結果、2台の出場権を得ることができました。マシンはTCRジャパンシリーズとスーパー耐久で走らせたものを、基本的にはそのまま使用しています。

もちろん、いきなりスポット参戦して、上位に入れるようなレースではないとわかっていましたが、いざ、フリープラクティスを走り出すと、富田、宮田ともに10位以内が狙えそうなパフォーマンスを見せ、さらに予選1では宮田が7番グリッド、富田も16番グリッドを獲得したことで、チームの士気は一気に上がりました。

決勝はほろ苦い結果となりましたが、それでも参戦前に予想していた以上にふたりのドライバーが活躍し、素晴らしい走りを見せることができたと思います。

このWTCRに参加するために、併催のTCRジャパンシリーズの最終戦を欠場しましたが、TCRジャパンシリーズのエントラントや、これから参戦を考えている方々に対して、次なる目標を示すことができたとしたら、私たちがWTCRに参戦した意義は大いにあったと思います。

そんな貴重な経験ができたことに対して、サポートしてくださったスポンサーや応援してくれたファンの皆さまにお礼を申し上げます。ありがとうございました。

WTCR 鈴鹿ラウンドの様子