2021/05/07
REPORT
Audi Team Hitotsuyamaは、2021年5月4日、静岡県の富士スピードウェイで開催されたSUPER GT第2戦「たかのこのホテル FUJI GT 500km RACE」に出場しました。
エンジンの不調により予選を最下位で終えた#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSでしたが、決勝レースでは粘り強い戦いで12ポジションアップの17位で完走を果たしました。
SUPER GTのなかで最長の距離で争われる「FUJI GT 500km RACE」。Audi Team Hitotsuyamaは、レギュラードライバーの川端伸太朗と篠原拓朗のふたりとともに、この長丁場のレースに挑みました。
予選が行われる5月3日は、朝から初夏らしい快晴に恵まれました。しかし、ドライバーやチームメンバーの表情は曇っていました。午前9時5分に公式練習がスタートしてすぐに、エンジンの不調が発覚。いつもどおりのパワーが出ていないことがわかったのです。そのためチームはエンジンの載せ替えを決意しますが、予選開始の午後2時30分までに作業を終わらせる見込みが立たないことから、そのままの状態でQ1に臨まざるをえませんでした。
29台がエントリーするGT300クラスは、A、Bの2組に分かれてそれぞれ10分間のQ1を行い、各組の上位8台がQ2に進出することになります。Audi Team Hitotsuyamaは川端がQ1のA組に挑みました。思うように加速しないAudi R8 LMSで奮闘する川端は、なんとか1分37秒791までタイムを縮めますが、A組15番手に終わりQ1敗退。最終的には29位のクラス最後尾からのスタートを余儀なくされました。
P1 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT 井口卓人/山内英輝
P2 #8 ARTA NSX GT3 高木真一/佐藤 蓮
P3 #60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT 吉本大樹/河野駿佑
P29 #21 Hitotsuyama Audi R8 LMS 川端伸太朗/篠原拓朗
予選後、チームはエンジンの載せ替えを行い、午後11時頃には作業が完了しました。それでも、決勝前のウォームアップ走行で確認するまでは不安は拭えません。しかし、幸いにもエンジンを載せ替えたマシンには従来のパワーが戻り、チームは気持ちを切り替えて、決勝に臨むことになります。
前日同様、好天に恵まれた富士スピードウェイでは、午後2時30分、2周のフォーメーションラップののち、500kmの決勝レースが始まりました。2回のピットストップが義務づけられるこのレースで、Audi Team Hitotsuyamaは川端がスタートを担当します。第1スティントを短めにし、タイヤを無交換とする作戦のもと、川端はタイヤを温存しながら着実な走りで徐々にポジションをアップしていきます。20周を終えた時点で川端は22位まで順位を上げ、次の周にピットストップ。篠原にマシンを託します。
篠原が担当する第2スティントでは、燃料を満タンにしたマシンで、できるだけ多くの周回を重ねるという作戦です。篠原は安定したペースで走りを続け、各マシンがひととおり1回目のピットストップを終えた時点では19位。タイヤ無交換作戦の成果が現れたといえます。その一方で、マシンのバランスに苦しみ、決勝のラップタイムは上位勢から1秒近く遅く、上位進出は厳しいという現実に直面していました。
その後、篠原は計39周を走り、ドライバー交替のためにピットに向かいました。ここでニュータイヤへの交換と給油作業を行い、ふたたび川端がコースへ。マシンのバランスがいまひとつ良くない状況は変わりませんでしたが、それでも川端はミスなく周回を続け、最終的にはスタートから12ポジションアップの17位で、無事完走を果たしました。
P1 #60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT 吉本大樹/河野駿佑
P2 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT 井口卓人/山内英輝
P3 #8 ARTA NSX GT3 高木真一/佐藤 蓮
P17 #21 Hitotsuyama Audi R8 LMS 川端伸太朗/篠原拓朗
今回は予選でエンジンの不調を抱えてしまい、最後尾からのスタートとなってしまいました。しかし、その問題がなかったとしても、マシンのバランスに苦しめられ、決勝中のペースが上がらなかったことを考えると、上位でフィニッシュするのは難しかったでしょう。耐久レースが得意なAudi R8 LMSにとって、この富士の500kmは上位が狙えるレースだっただけに、この結果はとても残念です。速さが足りない原因を次のレースまでにしっかりと検証していきます。
私たちのチームで2戦目になった篠原はずいぶん慣れてきて、ここ一発というときにもタイムが出せるようになりました。これからますます成長が期待できます。次の鈴鹿は昨年優勝しているサーキットだけに、川端と篠原、そしてチームが一丸となって上位を目指しますので、引き続き皆様の応援をよろしくお願いします。
予選は思わしくなかったのですが、メカニックが遅くまで作業してくれたおかげで、決勝レースを走ることができました。まわりのチームが速くなっているだけに、次戦までに改善策を見出して、我々もレベルアップしてポイント争いにからんでいきたいと思っています。
チームの地元のサーキットということでポイントを持ち帰りたい気持ちは強かったのですが、ラップタイムがライバルに対して及んでおらず、そこをしっかり改善していく必要があります。次の鈴鹿は、Audi R8では初走行なのですが、Audi RS 3 LMSで参戦したTCRジャパンシリーズでは優勝経験もあるので、とても楽しみにしています。