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2021/08/30

REPORT

第4戦〜藤井優紀がSunday Seriesを制し、開幕戦富士の雪辱を果たす

TCR Japan Series 2021 Round 4 MOTEGI レポート

TCR Japan Round 4

Audi Team Hitotsuyamaは、2021年8月28日〜29日、栃木県のツインリンクもてぎで開催された「TCR Japan Series 2021 Round 4 MOTEGI」にAudi RS 3 LMSでスポット参戦しました。

ドライバーの藤井優紀は、開幕戦の富士で速さを見せながらも表彰台を逃しており、その雪辱を果たすべく、このもてぎ戦に臨みました。その思いは叶い、混戦となったSunday Seriesを見事制して、念願の優勝を手に入れました。

8月28日 Saturday Series

開幕戦以来の参戦となる藤井は、レーシングカーのドライブは約4カ月ぶり。そこで、まずは木曜日と金曜日の専有走行で肩を慣らし、Saturday Series予選に臨みました。

スポット参戦の藤井には、性能調整を細かく行うためのCompensation Weight(以下CW)が30kg設定されます。やや不利な状況のもと、28日の午前8時10分から15分間の予選に挑みました。

藤井はセッション前半のタイムアタックで2分3秒244をマークし、暫定トップのCupra TCR の#19 HIROBON選手からコンマ972遅れの3番手。そしてセッション後半は、上位2台が自己ベストを更新するなか、藤井は自己ベスト更新にはいたらなかったものの、3番グリッドを確定させました。

Saturday Series Starting Grid

P1 #19 Cupra TCR HIROBON
P2 #97 Honda Civic TCR 塩津佑介
P3 #101 Audi RS 3 LMS 藤井優紀

前日の専有走行で2分2秒461をマークし、予選ではさらに速いタイムを想定していた藤井にとって、Saturday Seriesの予選は不本意な結果でした。しかし、予選後に自分の走りを見直し、気持ちを切り替えて、午後の決勝レースに挑みました。

真夏の強い日差しが降り注ぐツインリンクもてぎで、午後0時45分、20分プラス1周の決勝レースは戦いの火蓋が切られました。難しいとされるAudi RS 3 LMSのスタートでコツを掴んだという藤井は、3番グリッドから見事にスタートを決め、フロントロウの2台に迫る勢い。そのままトップ争いを演じると思われましたが、周回を重ねるごとに上位2台との差が徐々に広がっていきます。

一方、後方からはスタートでポジションを落としたAlfa Romeo Giulietta Veloce TCRの#73 大蔵峰樹選手が差を詰め、8周目にはテール・トゥ・ノーズの状態に。そして9周目には3位を明け渡すことになり、最終的には惜しくも表彰台を逃す4位でレースを終えています。

Saturday Series Final

P1 #19 Cupra TCR HIROBON
P2 #97 Honda Civic TCR 塩津佑介
P3 #73 Alfa Romeo Giulietta Veloce TCR 大蔵峰樹
P4 #101 Audi RS 3 LMS 藤井優紀

TCR Japan Round 4

8月29日 Sunday Series

速さはあるものの、Saturday Seriesではそれが結果につながらなかった藤井でしたが、決勝レース後に2020シリーズのチャンピオンを獲得した篠原拓朗選手からアドバイスを受けるなどして、本来の走りを取り戻していきます。

Sunday Seriesの決勝レースに先立ち、同日午前8時30分から15分にわたって行われた予選では、セッション前半に3番手となる2分2秒723を叩き出し、さらに後半には篠原選手の持つ2分1秒726のコースレコードに迫る2分1秒898をマーク。#97 塩津選手にはコンマ702秒及びませんでしたが、藤井は2番グリッド、フロントロウからのスタートを手に入れました。

Sunday Series Starting Grid

P1 #97 Honda Civic TCR 塩津佑介
P2 #101 Audi RS 3 LMS 藤井優紀
P3 #17 Audi RS 3 LMS 鈴木建自

曇り空のもと、午前11時25分から20分プラス1周の決勝レースが行われました。藤井はこの日も会心のスタートを決め、ポールポジションの#97 塩津選手をかわし、ホールショットを奪うことに成功。その後、3コーナーでハーフスピンを喫しますが、それでもなんとか態勢を立て直してトップを守ります。

その直後、後続のマシンが3コーナーでクラッシュし、コース上で停止してしまったことからセーフティカーが導入されます。この時点で、ポールポジションの#97 塩津選手は5位まで順位を落としていましたが、その実力からすれば、再スタート後に藤井に迫ることは明白です。

富士の開幕戦では、トップ争いを演じながら再スタート時にセーフティカーを追い抜いてしまうミスで表彰台を逃した藤井に対して、チームからはとにかく落ち着くようにとアドバイス。レースは5周目に再スタートとなり、トップを走る藤井はしっかりとポジションを守ります。

一方、後方の#97 塩津選手は6周目には3位、7周目には2位にポジションを戻し、藤井との差を縮めていきましたが、藤井はファイナルラップとなる9周目まで#97 塩津選手を抑え切ることに成功。これにより見事優勝を遂げ、開幕戦富士の雪辱を果たしました。

Sunday Series Final

P1 #101 Audi RS 3 LMS 藤井優紀
P2 #97 Honda Civic TCR 塩津佑介
P3 #71 Honda Civic TCR 大山正芳

表彰式

チーム代表 一ツ山亮次のコメント

今回は開幕戦のリベンジのつもりで、ツインリンクもてぎに入りました。Sunday Seriesの決勝は荒れた展開になり、セーフティカーが導入。トップを走る藤井選手はいつも以上に緊張していたのか、走りに硬さが見られました。それでも、再スタートを上手く決め、その後のバトルに打ち勝って優勝できたのはとてもうれしく、気持ちよくレースウィークを終えることができました。

久々のレースとなる藤井選手でしたが、ここもてぎでも速さを見せてくれました。もう少しレーシングカーに乗る機会を増やせれば、予選から決勝までの流れを、もっとうまく運ぶことができるはずです。ここからさらに速くなる素質を持っている藤井選手ですから、今後も活躍ができるようにチームとしてサポートをしていけたらと思っています。