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2022/06/07

REPORT

第2戦〜堅実な走りでデビュー戦を3位表彰台で飾る

スーパー耐久シリーズ 第2戦 NAPAC 富士 SUPER TEC 24時間レース レポート

スーパー耐久2022 第2戦

Audi Team Hitotsuyamaは、2022年6月3日〜5日、静岡県の富士スピードウェイで開催されたENEOSスーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook 第2戦 「NAPAC 富士 SUPER TEC 24時間レース」のST-Zクラスに参戦しました。

24時間の長丁場で、ライバルたちがマシントラブル、アクシデント、ペナルティに苦しむなか、チームはそれらとは無縁の堅実な走りで24時間を駆け抜け、デビュー戦を3位表彰台で飾り、幸先の良いスタートを切りました。

公式予選

この第2戦から2022シーズンのスーパー耐久にシリーズ参戦するAudi Team Hitotsuyama。2021年の富士24時間にAudi R8 LMS GT3でST-Xクラスに参戦したジェントルマンドライバーの本多秀朗をAドライバーに据え、これをプラチナドライバーの宮田莉朋(Bドライバー)、FIA-F4などで活躍してきた若手の神晴也(Cドライバー)がサポート。さらに、Audi A1 Fun Cupで好成績を収めた阿野雄紀(Dドライバー)を加えた4名がレギュラードライバーとしてシリーズに挑みます。そして、走行距離が長い今回は、Audi A1 Fun Cup出身の藤井優紀がEドライバーとしてスポット参戦します。

5月10日のテストデーがマシンの初走行となり、それ以降、走行の機会がなかったことから、公式予選前日の練習走行では、宮田が中心となりマシンのセットアップを進めます。そのぶん、ドライバーの練習時間が限られた状況のまま、6月3日の予選を迎えることに。スーパー耐久ではAドライバーとBドライバーの合算タイム順で決勝のスターティンググリッドが決められます。チームは、Aドライバーの本多には予選通過基準タイムのクリアを、Bドライバーの宮田にはクラストップタイムのマークを、それぞれの目標として設定。今回は、本多が前日の練習走行を1秒以上上回る1分56秒193をマークし、余裕で予選通過基準タイムをクリア。一方、宮田がマークした1分47秒319は、堂々のクラストップタイムでした。A/Bドライバーの合算タイムはクラス6番手で、#21 Hitotsuyama Audi R8 LMS GT4は総合20番グリッドからのスタートとなりました。

ST-Z Class Qualifying Result

P1 #500 5ZIGEN AMG GT4
P2 #22 Porsche 718 Cayman GT4 RS CS
P3 #310 GRGarage水戸インター GR SUPRA GT4

P6 #21 Hitotsuyama Audi R8 LMS GT4

スーパー耐久2022 第2戦

決勝

いまにも泣き出しそうな曇り空のもと、富士スピードウェイでは、6月4日午後2時59分、ローリングスタートにより24時間レースの火蓋が切られました。#21 Hitotsuyama Audi R8 LMS GT4は神がスタートを担当。序盤にクラス3番手までポジションを上げた神は、その後も速いペースで周回を重ね、51周目にはクラス2番手、そして、54周目にはクラストップに踊り出ます。程なくして#310 GR SUPRA GT4とテール・トゥ・ノーズのトップ争いを繰り広げることになりますが、#310にタイヤトラブルが発生し、#21の神はトップを守り切ります。その後、神は85周、2スティントを終えたところで本多にステアリングを託しました。

本多もまた事前の練習が不足していましたが、堅実な走りで周回を重ねていきます。そして陽が傾いたころに藤井にバトンタッチ。周囲の明るさが急変する難しいコンディションにもかかわらず、藤井は速いペースで周回を続け、阿野にマシンを委ねました。阿野も不慣れな夜間走行を着実にこなし、午後9時前に、“深夜担当”の宮田にドライバー交替します。

この時点で#21 Hitotsuyama Audi R8 LMS GT4はクラストップから5周遅れの5番手を走行。宮田は速いペースで先行する#19 BRP★SUNRISE-Blvd718GT4MRに迫り、252周目にはこれをパスしてクラス4位に浮上。その後も神、宮田の2人で厳しい深夜枠を乗り越え、ナイトセッションが終りを迎えた午前5時過ぎに、クラス4番手、トップから6周差で藤井に交替します。

その後、阿野からマシンを受け継いだ神が快走していたスティントで、レースが急展開。クラストップを走っていた#22 718 Cayman GT4が517周目にマシントラブルで戦線離脱。これにより、午前8時半頃には#21 Hitotsuyama Audi R8 LMS GT4が表彰台圏内の3位に浮上します。このポジションを守りながら、さらに上を目指すために、チームはドライバーの出番を急遽変更し、終盤を宮田と神に託すことにしました。2位を走る#885 シェイドレーシング GR SUPRA GT4との差は4周まで開いていましたが、上位を上回るラップタイムを連発する宮田と神がその差を詰めていき、残り6時間半で2位との差を2周まで縮めました。最終的にはクラストップの#500 5ZIGEN AMG GT4から5周遅れの3位でフィニッシュし、デビュー戦を表彰台で飾りました。

幸先の良いスタートを切ったAudi Team Hitotsuyama。この勢いのまま、7月9日〜10日に菅生で開催される第3戦に挑みますので、引き続き応援をよろしくお願いいたします。

Race Result

P1 #500 5ZIGEN AMG GT4
P2 #885 シェイドレーシング GR SUPRA GT4
P3 #21 Hitotsuyama Audi R8 LMS GT4

スーパー耐久2022 第2戦 表彰式

チーム代表 一ツ山亮次 コメント

今回は事前の準備期間が不足していたことから、ドライバーの練習時間を十分に取ることができず、多少の不安も抱えた中での初レースとなりました。
5名のドライバーは経験やスキルに大きな差があるため、各ドライバーにターゲットを設定し、最後までしっかりと走りきる戦略をとりました。
最初の2時間半を担当した神晴也は、ターゲット通りにクラス6位からスタートしてトップまで上り詰めました。その後も各ドライバーは一切のミスなく各自のスティントを走り、アクシデントが起きやすい深夜の段階でも表彰台を狙えるポジションで安定して走行を続けていました。レースも後半に入ったところでライバルがトラブルで離脱し、その時点で表彰台がより近づいてきたので、そこからは宮田莉朋と神晴也のプロ2名を中心に走る戦略に変更しました。2人とも全く危なげない走りで長時間走り続けてくれて、無事に表彰台という目標を達成することができました。
今回のレースは、ライバルがほぼ全員プロドライバーで固めてきている中、我々チームはジェントルマンも起用し、皆で楽しみながらレースをすることを最優先にしていました。ですから、この3位表彰台は優勝にも値するものだと、とても満足しています。
チームクルーもミスなく、40時間近く寝る間もなく激務をこなしてくれましたし、マシンにも一切のトラブルなく24時間を走り切ることができ、耐久に強いアウディらしいレースをすることができました。応援していただいた皆様に感謝いたします。
この勢いで次戦以降も良いレースを目指していきますので、引き続き、応援よろしくお願いいたします。

Bドライバー 宮田莉朋 コメント

今大会はシェイクダウンからレース本番までの時間が少なく、データが不充分でした。
その中でジェントルマンドライバーに走行時間をなるべく与えていき、プロドライバーは今までの培った技術でカバーしていきました。
レースでは、車のポテンシャルが高く表彰台は見えていました。ドライバーみんなとはとにかく車を壊さないこと、次のドライバーに繋げることを目標にしていきました。その目標をみんなが果たすことが出来、車もトラブル無く走り切れました。
とても価値のある結果を残せたことに、24時間耐久レースを一緒に戦った皆様へ感謝しています。応援ありがとうございました。

Cドライバー 神晴也 コメント

先日のシェイクダウンからすぐの初レースで不安と期待があるレースウィークでしたが、チームのサポートがあり期待通りの車に仕上げて頂くことが出来ました。
その中で僕にスタートドライバーを担当させて頂き、チームワークのお陰もあり6位→1位へポジションを上げバトンを繋ぐことができたのは、本当に良かったと思います。
その後も全員が自分のスティントを確実にこなし、大きなミスもなく最終的には表彰台まで順位を上げることができました。
次戦も更に良い結果を目指せる様に準備していきたいと思います。

Dドライバー 阿野雄紀 コメント

チームとしては初戦の24時間で3位表彰台を獲得することができ嬉しく思っています。今回車に関しては何もトラブルも無く、24時間を走り切れたことは凄いことであり、チームクルーの皆様に本当に感謝です。昨年の24時間をチームスタッフとして帯同させて頂いたこともあり、クルーの大変さも身にしみて感じていたので、ドライバーを含めメカニック、エンジニア、スタッフ、応援して下さっていた皆様と全員で勝ち取った表彰台だと思っています。
その一方で、率直な感想としまして、改めてプロの凄さを実感したと同時に、自分の戦力がまだまだ足りてないということを痛感しました。プロ2人には長い時間休憩が少ない状態で連続して乗って頂くという流れになってしまったので、個人的にはもっと戦力になれるよう練習など準備をして次戦に挑みたいと思っています。いつもとまた違った刺激があり、悩みとともに学び多きレースでした。

Eドライバー 藤井優紀 コメント

新たなチーム体制と車両のもと、スーパー耐久の24時間レースという大舞台で素晴らしい成果を残すことができ嬉しく思います。
車両のポテンシャルも証明できたと思うので、次は優勝を見てみたいです。
ご支援いただいた皆様に感謝致します。