2024/11/18
REPORT
Hitotsuyama Racingは、2024年11月16日〜17日、静岡県の富士スピードウェイで開催されたENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE 第7戦「S耐ファイナル 富士」のST-Zクラスに参戦しました。
11番グリッドからスタートした#21 Hitotsuyama Mercedes-AMG GT4は、途中2度の赤旗中断など荒れた展開となるなか、ドライバーたちの果敢な走りや、臨機応変なチームの対応により3位でフィニッシュし、Mercedes-AMG GT4で初めて挑んだ2024シーズンを初表彰台で締めくくりました。
前回の岡山戦ではクラス2位でフィニッシュしたものの、ゴール後の車検で最低地上高が規定を1mm満たしてなかったことから、表彰台が幻となったHitotsuyama Racing。セッティングを攻めすぎたことを反省し、今回はマシンのセッティングにすこしマージンをもたせ、2024シーズン最終戦の富士に臨みました。ドライバーのラインアップはこれまでどおり、A:山脇大輔、B:ショーン・ウォーキンショー、C:ジェームス・プル、D:川端伸太朗という顔ぶれです。
予選前日の11月15日には専有走行が予定されていましたが、天候不良のためほとんど走行できず、予選当日の16日にも午前中に35分間のウォームアップ走行が設けられるだけ。チームはこのわずかな時間を、Aドライバーの山脇とBドライバーのウォーキンショーの走行にあて、ほぼぶっつけ本番の状態で午後の予選に挑むことになります。
曇り空のもと、まずは13時40分から、ST-Zクラスを含むグループ1のAドライバーによる予選が行われました。山脇は計測4周目に1分48秒785をマークすると、次の周にこれをさらに上回る1分48秒766で自己ベストタイムを更新しました。これはAドライバー中11番手で、シーズン当初に比べるとクラストップとの差はレースを重ねるごとに縮まっており、その成長には目を見張るものがあります。
続いて14時40分からは、グループ1のBドライバー予選が始まりました。ウォーキンショーは計測4周目には1分47秒868を記録し、雨で路面が濡れ始めてからの6周目には1分47秒223で自己ベストを更新します。ドライコンディションのままならさらにタイムを縮められたというウォーキンショーでしたが、それでもクラス6番手につけました。
その結果、山脇とウォーキンショーの合算タイムはクラス11番手となり、翌日の決勝レースは総合19番手からのスタートになりました。
P1 #26 raffinée日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4
P2 #555 REVISION AMG GT4
P3 #20 NANIWA DENSO TEAM IMPUL Z
P11 #21 Hitotsuyama Mercedes-AMG GT4
17日の富士スピードウェイは、前日とは打って変わって青空が広がり、汗ばむほどの好天に恵まれました。今回の4時間レースは、ドライバー交替を含む3回のピットストップと、Aドライバーに対して60分の最低周回が義務づけられます。チームは、スタートドライバーに川端を起用。序盤から上位を狙いながら、万一セーフティカーが導入されるような事態が発生したなら、すぐさま川端をピットに呼び戻して、山脇に交替させるという作戦を考えていました。
1周のフォーメーションラップのあと、12時29分、レースはローリングスタートが切られました。クラス11番手の川端はオープニングラップで10位に順位を上げると、その後も果敢な走りで4周目には9位、7周目には8位、9周目には7位と、次々とライバルをかわしていきます。このままさらにポジションを上げていきたいところでしたが、12周目にST-3クラスのマシンにアクシデントが発生し、ガードレールを大きく破損させたことから、FCY(フルコースイエロー)となり、その後、セーフティカーが導入されました。
この事態にチームはすぐに対応し、14周を終えたところで山脇に交替。タイヤ交換は行わず、給油のみで山脇の乗る#21 Hitotsuyama Mercedes-AMG GT4をコースに送り出します。山脇がコースに復帰したあとも、しばらくセーフティカーランが続きますが、18周目に入った13時12分にレースは赤旗中断に。14時20分にはセーフティカー先導でレースは再開されますが、中断時間を考慮し、Aドライバーの周回義務時間は43分に短縮されます。
セーフティカーラン中のドライバー交替が功を奏して、山脇は一時3位に浮上。残る30分ほどの周回義務を見事に走り切り、35周を終えたところでピットストップ、ウォーキンショーに交替しました。このときもタイヤ交換は行わず、ピットストップの時間を短くしたことで、ウォーキンショーは7番手でコースに復帰。ここから追い上げようとしますが、38周目にST-Zクラスの一台がダンロップコーナー手前でクラッシュし、またもやガードレールを大きく破損させたことから、2度目の赤旗中断になりました。
レースは残り30分となる16時ちょうどに、セーフティカー先導で再開されますが、2度目の赤旗中断でレース時間がさらに短くなったことから、ドライバー交替の義務が3回から2回に変更。当初、セーフティカーランが終了したところで、プルにドライバー交替するはずでしたが、すでに2回のドライバー交替を終えているHitotsuyama Racingは、ウォーキンショーにゴールまでマシンを託すことにしました。
リスタートの時点で#21 Hitotsuyama Mercedes-AMG GT4はクラス6番手でしたが、上位には2回のドライバー交替を終えていないマシンが3台おり、表彰台獲得が現実味を帯びてきました。案の定、#555 REVISION AMG GT4と#5 マッハ車検 GR Supra GT4 EVOがピットストップで順位を落とす間に、ウォーキンショーは4位に浮上し、前を走る#20 NANIWA DENSO TEAM IMPUL Zに迫り寄ります。
ところが残り11分というところで、FCYが導入され、ウォーキンショーの追い上げも一時中断。その後、残り6分でレースが再開され、ウォーキンショーは#20 NANIWA DENSO TEAM IMPUL Zを見事にパスして3位に浮上。このままレースはゴールを迎え、#21 Hitotsuyama Mercedes-AMG GT4は3位で今季初表彰台を獲得しました。
2024シーズンを終え1年を振りかえると、マシンをAudi R8 LMSからに変更した当初こそMercedes-AMG GT4を理解するのにすこし時間を要しましたが、シーズン中盤以降はチームもドライバーもマシンに慣れ、上位を狙える状況が続いていました。その成長ぶりを、今回、3位表彰台獲得で証明し、良いかたちでシーズンを締めくくることができました。1年間、Hitotsuyama Racingの応援、ありがとうございました。
来シーズンについては詳細が決まり次第お知らせしますが、さらなる挑戦の年を、また皆さんと一緒に頑張りたいと思っていますので、引き続き、応援のほどよろしくお願いいたします!
P1 #59 2W Yamaguchi GR Supra GT4 EVO
P2 #26 raffinée日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4
P3 #21 Hitotsuyama Mercedes-AMG GT4