2025/03/25
REPORT
Hitotsuyama Racingは、2025年3月22日〜23日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催されたENEOS スーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE 第1戦「もてぎスーパー耐久 4 Hours Race」のST-Xクラスに参戦しました。
ST-Zクラスの#21 Hitotsuyama Mercedes-AMG GT4に加えて、Audi R8 LMS GT3でST-Xクラスに挑む2025シーズン開幕戦は、ゴールまで残り7周で表彰台圏内の3位に浮上したものの、ファイナルラップでガス欠に見舞われて完走できず、表彰台を逃す悔しい結果になりました。
▲右2人目から鈴木建自、小川颯太、ジェームス・プル、左から2人目が川端伸太朗、その右が猪爪杏奈
2021年の第3戦「NAPAC 富士 SUPER TEC 24時間レース」にスポット参戦して以来、4年ぶりにST-Xクラスに挑むことになったHitotsuyama Racing。その布陣は、Aドライバーに、念願のST-Xクラスにステップアップした鈴木建自を起用。鈴木は2020年にTCRジャパンシリーズでレースデビューし、2022年からはスーパー耐久のST-Zクラスに参戦してきたジェントルマンドライバーです。Bドライバーの小川颯太は、1999年生まれの期待の若手であり、2023年にはFormula Regional Japanでシリーズチャンピオンを獲得。2024年には#21 Hitotsuyama Mercedes-AMG GTで富士の24時間レースにスポット参戦しています。
Cドライバーのジェームス・プルは、2024シーズンは#21 Hitotsuyama Mercedes-AMG GT4でCドライバーを務め、その実績を買われてST-Xにステップアップ。猪爪杏奈は、20歳でレースを始め、2023年にはTCRジャパンシリーズで、Saturday SeriesとSunday Seriesのダブルタイトルを獲得。2024年からはFormula Regional Japanやスーパー耐久にシリーズ参戦しています。Hitotsuyama Racingは、女性ドライバーの活躍を応援・育成する一環として猪爪をDドライバーとしてチームに迎えました。さらに、2020年からHitotsuyama RacingでSUPER GTやスーパー耐久に挑戦を続けてきた川端伸太朗が監督兼Eドライバーとしてチームを率いることになりました。
このうち、開幕戦のもてぎでは、A〜Dのレギュラードライバー4人が23日のRACE2に挑みました。
春らしい暖かな朝を迎えたモビリティリゾートもてぎでは、8時30分からRACE2の予選が始まりました。まずは8時50分にAドライバーの予選が行われ、鈴木は5周目には1分55秒台までペース上げながら、クリアラップが取れる場所を探ります。そして8周目、渾身のアタックで1分53秒923をマークし、これが3番手タイムになりました。
そして、9時45分からはBドライバーの小川が予選に臨み、5周目の1分51秒131はRACE2の予選最速タイムとなりました。A/Bドライバーの合算タイムは3分45秒054で、2番手の#31 DENSO LEXUS RC F GT3にはわずかコンマ035秒差及ばず、3番グリッドからのスタートが決定しました。
そのあと、C/Dドライバーによる予選が行われ、プルが1分52秒387、猪爪が1分55秒478で予選通過基準タイムをクリアしています。
P1 #666 seven x seven PORSCHE GT3R
P2 #31 DENSO LEXUS RC F GT3
P3 #101 Hitotsuyama Audi R8 LMS
昼前には気温が20℃を超え、初夏を思わせる暑さとなったモビリティリゾートもてぎでは、12時30分に4時間レースが始まりました。今回は3回のドライバー交替が義務づけられており、ST-Xデビューとなる猪爪が第1スティントを担当しました。
スタート直後、猪爪は3番手を守って1コーナーへ突き進んで行きますが、途中、#23 TKRI松永建設AMG GT3のエースドライバーにパスされ、4番手にポジションダウン。#23 TKRI松永建設AMG GT3はさら2位にポジションを上げる一方、3番手に順位を落とした#31 DENSO LEXUS RC F GT3のジェントルマンドライバーに猪爪が迫り、ここから5周にわたるバトルが続きました。そして6周目、猪爪は#31 DENSO LEXUS RC F GT3をパスして3位に浮上。その後は1分56秒から57秒の安定したペースで20周を走り、ドライバー交替のためにピットに入りました。
ここでチームは給油とリアタイヤ2本を交換して、小川をコースに送り出します。Audi R8 LMS GT3の特性として、燃料が満タンに近い状況ではペースが上がらず、小川もドライブに手こずりましたが、燃料が軽くなるにつれてスピードが上がり、ときおり1分55秒台をマークしながら2番手を走る#23 TKRI松永建設AMG GT3に迫っていきます。そして、46周目に2位に浮上すると、今度は約18秒先を走る#666 seven x seven PORSCHE GT3Rとの差を詰めていきました。53周目には#666 seven x seven PORSCHE GT3Rの背後まで迫り、同じ周の最終コーナーでオーバーテイクし、ついにトップに踊り出ます。
55周を終えたところで鈴木にバトンタッチ。鈴木は3番手でコースに復帰すると、はじめのうちは1分59秒付近で走行を続けていましたが、周回を重ねるにつれて1分58秒台をマークするなどペースも上がり、約1時間を走行。ST-Xデビュー戦でAドライバーの役割をきっちりと果たしました。
85周を終えてマシンをピットに戻したチームは、先行する#31 DENSO LEXUS RC F GT3との差を縮めるために、ピット作業は給油のみとし、タイヤ無交換でプルをコースに戻しました。この時点で#31 DENSO LEXUS RC F GT3との差は約13秒でしたが、タイヤが厳しい状況にもかかわらず、プルは3番手を走るライバルとの差を徐々に詰めていきます。そして残り10周となるころには#31 DENSO LEXUS RC F GT3の背後に迫り、その後、猛プッシュを続けたプルは、ついに115周目に3位に浮上しました。
デビュー第1戦での表彰台が見えてきた#101 Hitotsuyama Audi R8 LMSでしたが、ファイナルラップとなる121周目、突如ガス欠に見舞われ、マシンはコース上でストップ。スーパー耐久ではチェッカードフラッグを受けなければ完走とならず、#101 Hitotsuyama Audi R8 LMSはゴール目前で表彰台を逃す悔しい結果になりました。
それでも、鈴木、猪爪の走りはデビュー戦としては合格点で、小川とプルの速さも再確認できたもてぎ大会。今回の経験を踏まえ、次戦の鈴鹿では結果を残せるよう頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします。
P1 #666 seven x seven PORSCHE GT3R
P2 #23 TKRI松永建設AMG GT3
P3 #31 DENSO LEXUS RC F GT3
DNF #101 Hitotsuyama Audi R8 LMS